そのダイエット法は正しいのか?

「疑問を持つ」ことから
研究がはじまる

隠れ肥満による病気の弊害と改善法

病気の弊害

隠れ肥満が及ぼす健康への影響

肥満の人が、心臓疾患や2型糖尿病など多くの生活習慣病にかかりやすいのはご存知の通りだと思います。

しかし、痩せているからと言って、それら慢性疾患の心配がないかといえばそうとも言えません。

最近の研究では、隠れ肥満にも普通の肥満と同様の健康被害へのリスクがあることが分かってきています。

隠れ肥満が健康に及ぼす影響は思いの外、深刻です。

医学誌クリニカル・インターベンションズ・イン・エイジングに発表された研究によれば、筋肉量が少なく、体脂肪の多い人には健康上に下記の危険があると言います。

認知力の低下

隠れ肥満は記憶力の低下、精神的な柔軟性の低下、自制心の低下、方向感覚の衰えなどを引き起こします。

これはアルツハイマー病の症状と酷似しており、骨格筋量の減少は認知力の低下に関連があると考えられています。

身体機能の低下

隠れ肥満によって、体力、筋力、筋肉量、骨密度、内臓機能などの身体機能が低下します。

それに伴い、立つことや歩くことが困難になったり、バランス感覚の低下、巧緻性(こうちせい:手先の器用さ、巧みに指先を使う能力)や協調性の低下などの障害が起こります。

また、疲れやすい、食欲がわかないなどの障害が起こります。

やる気が出ない、午前中の体調が悪いなどの体調不良の症状も出始めます。

病気のリスクが増加

隠れ肥満の人は、糖尿病の発症リスクが高いことが報告されています。

隠れ肥満の中でも内臓脂肪が多いタイプは、心臓や肝臓、膵臓など生命の維持に必要不可欠な臓器を脂肪が覆ってしまっており、2型糖尿病や癌、心疾患のリスクを高めると言われています。

また、お腹周りに脂肪が蓄積している人も、腹部の脂肪が少ない人に比べて早期から心疾患や糖尿病にかかりやすいことがわかっており、死亡リスクを高めると言われています。

隠れ肥満を改善する方法

緑黄色野菜

健康面や精神面でさまざまなリスクがある隠れ肥満。

体脂肪率を減らすことで隠れ肥満の多くの症状は解消できます。

隠れ肥満にならないために、体脂肪率を減らし、隠れ肥満には縁遠い体を作りましょう。

食習慣を改善する

次の食事法や生活習慣の改善で体脂肪率を減らして行きましょう!

食べ方の順番を意識する

これは食事をバランスよく摂った上での話です。

食べる順番を野菜→タンパク質の多い食べ物(肉、魚、大豆製品、たまご、乳製品)→糖質の多い食べ物(ごはん、パン、麺類)にすると血糖値の急上昇が防げます。

例えば、食べる順番を意識しないで麺類を食べたとします。

すると糖が素早く消化、吸収されて血糖値が急激に上がり、インスリンが過剰に分泌されてしまいます。

そしてその急激に上がった血糖値は急激に下がるため、空腹感が出てしまいます。

インスリンには、脂肪を合成して蓄えようとする働きと、脂肪の分解の邪魔をする働きがあるのです。

体脂肪を減らすには、まず食べる順番を意識するのがおすすめです。

偏食を避ける

朝は忙しくておにぎりや食パン一枚だけ…夜は遅くなって疲れてコンビニのお弁当が続いている…という方もおられるかもしれません。

特定の食品を抜いたり、はたまた特定の食品に偏ってしまいがちな方は、主食・主菜・副菜のそろった食事を意識してみましょう。

加えて、調理法や菓子・アルコールなどのとり方を見直すことも大切です。

全ての食事を12時間以内にする

例えば「夜遅くに仕事から帰ってきて夜ご飯が遅くなってしまったけど、遅い時間の食事は太ってしまうし…」と考えて、夜ご飯を食べないでいる人もいるでしょう。

ですが、朝食から夕方までを12時間以内に収めると、体内リズムを乱さずに済むそうです。

夕食をとる時間がなさそうな時は、なるべく朝の食事から12時間以内に何か胃に入れましょう。

簡単な食事でもいいので、何かを食べておくと体内リズムの乱れや空腹の反動による暴飲暴食を防ぐことができます。

今日食べ過ぎたから明日から食べる量減らそう…。

自分でそう決心して体型をキープすることは一見素晴らしいことのようですが、実は脂肪は減らずに筋肉からタンパク質が消費され、筋肉が痩せてしまっている可能性が高いのです。

運動をする

健康な体型に大切なのはやはり運動です。

目標は脂肪量を減らし筋肉量を増やすことで、脂肪と筋肉の比率を変えることです。

運動不足の人は筋肉や骨が衰えて脂肪が増える傾向にあります。

普段、ほとんど身体を動かさない生活で食事量は若い頃と変わらず摂っていて、体重が若い頃から変化しない方は隠れ肥満の可能性があります。

このような人は早期に糖尿病や慢性疾患を発症するリスクが高い状態と言われています。

今からでも遅くはないので、積極的に運動を取り入れるようにしましょう。

筋トレで筋肉量をアップ

簡単な筋トレからで構いません。

日々の生活で低下しきった筋肉を鍛え、筋肉量を少しでも増やして行きましょう。

筋肉量が増えることで基礎代謝が高まり、冷え性やむくみが改善されます。

エネルギーが消費されやすくなるので、脂肪が蓄積されるのを防ぎます。

軽い有酸素運動を取り入れましょう

基礎代謝を高めるため、ウォーキングやダンスなどの軽い有酸素運動を行うこともおすすめです。

いつもより長めに歩くなど、体を動かす習慣を作るようにしましょう。

エクササイズやウォーキング、水泳などの有酸素運動は特に内臓脂肪を減らす効果があるので、これらを1回30分以上、週3日以上続けると効果的です。

その他にも、歩く距離を増やす、エレベーターではなく階段を使うようにするなど、毎日意識して運動をするようにしましょう。

エクササイズやストレッチを行う

常に猫背であったり、片足に重心がかかってしまうなど、正しい姿勢がキープできない人は、かなり筋肉量が低下している可能性が高いです。

このような方が、いきなり筋トレや有酸素運動を行っても続かない場合が多いでしょう。

エクササイズやストレッチは、凝り固まった身体を緩ませる効果の他、身体の可動域を広げ、筋肉の動きをスムーズにします。

まずはお風呂上がりなどに、簡単なエクササイズやストレッチを行うことから始めてはいかがでしょうか?

また、有酸素運動や筋トレと合わせて行うことで、全身の筋肉を効率的に働かせることができます。

隠れ肥満の原因を知って改善を目指しましょう!

脂肪はいつの間にか体に蓄積されていきます。

隠れ肥満は痩せ体型なのに体脂肪率が高い状態。

脳や身体に対してさまざまなリスクがあるとも言われています。

見た目には太っていても、代謝的には問題のない健康な肥満で、体重が軽い隠れ肥満の人たちより慢性的な病気のリスクが低い人も存在します。

見た目を重視する現代の風潮から、BMIの基準のみが有名になり、誤った認識や混乱が生じています。

見た目の細さだけに囚われることなく、何よりも健康的な身体であることが大切です。

食生活の改善、日ごろの運動を心がけて筋肉をつけ、美しい体作りをしましょう!

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